ファモチジンの意外な効用。

現在国内では、たくさんの薬が認可されている。
そららの薬は、厚生労働省やら、中央薬事審議会やらで決められた疾患に対しては、
医療保険の適応を受けられるようになっているのだが。

しかしながら、ある薬剤にそれまで思いもしなかったような薬効が見つかり、
医学の進歩につながったものも、これまでにはたくさんある。
例えば、発毛剤のリアップや、勃起改善剤のバイアグラなども、
もともとは別の目的として開発されていた薬なのだ。


現在、胃炎・胃潰瘍の治療に使用されている薬に、
H2ブロッカーと分類されているものがある。

その中のシメチジン(商品名:タガメット)には、以前より
整形領域における、石灰沈着性の腱板炎や肩関節周囲炎に対して
効果があるような報告が、いくつかなされていた。

石灰沈着性肩関節周囲炎とは、
いわゆる四十肩・五十肩(現在は三十肩もあるか・・・)の原因の一つである。

ただ、シメチジンは他の作用もいろいろあるため、
整形領域での投与には難しい面も見られるし、
作用機序がはっきりしないため、保険適応にもなっていないのだ・・・。

そんなところへ、同じくH2ブロッカーである、ファモチジン(商品名:ガスター)についても
同様の効果が見られるとの研究報告が出されてきた。
その報告に寄れば、ファモチジンの効果はシメチジンの効果よりも大きく、
しかも効果が出るまでの期間はシメチジンよりも短いようである。
(これはH2受容体に対する選択性から見ても当然と言えるか!)
これをそのまま信用すると、臨床の医師にとって、
副作用の比較的少ないファモチジンは使い勝手の良い薬剤といえよう。

考察される作用機序も、シメチジン同様、
上皮小体のH2受容体への作用によるPTH分泌抑制と、
末梢のH2受容体への直接作用が考えられているようである。
そうなると、他のH2ブロッカーにも、同様の効果が期待できると思う。


なお、うちの整形では実際に石灰沈着性腱板炎の治療に、
シメチジンやファモチジンを処方しているが、
カルテ上の病名は、「胃炎」として処方している。
ただ一緒に、痛みを抑えるべくNsaidsの薬を投与することが多い為、
レセプトで(Nsadis+胃薬)の組み合わせは、注意されることが多いのも事実である。

機序は不明であっても、実際に効果が見られるのであれば、
迅速に「石灰沈着性腱板炎」に対する投与を認めてもらいたいと思うのだが。
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by ken12_pennsyl | 2005-03-12 16:00 | 医学的なお話


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